山本サヤカ - つくしの言伝

 

山間の白い道は 雪の轍 連れ添って
朽ちたバス停の文字は 行き先すら伝えない
瞳を閉じてそっと名を呼ぶ 雪原のつがいの足跡
途切れては 消えた場所

あの人がのこした翡翠の髪飾り 抱きしめ 祈る 幸せを
立ち昇る吐息は一片のぬくもり 真冬の空に色づけた

山間の雑木林 枝に殘す雪化粧
とけた水を少しずつ 細い川に還してる
かつて二人で過ごした町に 風は蒼い息吹を連れて
吹き抜ける 春 近し

あの人がのこした言葉のお守りは 今でも胸に生きている
土から覗くのは つくしたちの頭 雲雀の聲が響いてた

あの人がのこした言葉のお守りは 今でも胸に生きている
土から覗くのは つくしたちの頭 なつかしい聲が聴こえるよ
雲間に射し込むは 優しい春の歌う聲

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